あの日

楽しみな人には楽しみな、そうでない人にはなんでも無い日が近づきつつありますが皆さんはどうでしょうか?
思い出話を1つ。ビターチョコレートのようなほろ苦いお話。(長いッス)
小学校5年生の冬。当時(というか今も)女の人と話すのが苦手だった自分に2月14日など意味のある日ではありませんでした。親と一緒に自分でチョコバナナを作った記憶がありますw
小5の冬は今までとは違いました。普通に雪道をランドセルを背負って歩き、学校に着き、授業を受け、給食を食べ、昼休みに遊び、掃除をし、さあ後は帰るだけ、のはずでした。
友人の女子に呼ばれたのです。よくわからない展開に緊張する自分。どこであったことかは忘れましたが、そこでしばらく待ちました。そして先ほどの女子が来て、包装されたものを自分に渡しました。それでも驚いたのですが、もっと驚いたのはその後のセリフでした。
「恥ずかしくて直接渡せないから、って」
はあ。
その時の自分は今考えるとバカです。中身は手作りのチョコチップクッキーでした。で、家族でおいしくいただきました(おぃ)その包みの中にはカードも入っていました。
「毒は入っていないからね」
はあ。
しかし後々になって思うと、あのクッキーには毒が入っていました。


冷静になって振り返ると、わざわざ手作りで、しかも手渡しするのが恥ずかしいとなると、なんとなく察しがつくのが普通かもしれません。でも自分は気付かなかった。友達の1人にしか過ぎなかった。
それが変わるのは中1の冬です。冬休み明け、学校に行くと、彼女を見るたび、あのときのクッキーのような、甘い気持ちでいっぱいになりました。
「俺、アイツが好きなんだな」
そう気付くのにも時間がかかりました。あのときの恋の毒薬が効き始めるのは遅すぎた。なんとなくすれ違い始めた二人の気持ちは埋まらなかった。やがて彼女には彼氏ができ、高校生となった。
そして今、彼女の姿を何ヶ月も見ていない。彼女の事を思うと、心が先に進めなくなる気がしてならない。
でも彼女の姿が目に入らなくとも、ココロの奥に焼きついた彼女の影から逃れられないでいる。