フットボール、その潮流

メディアは、バルサはより攻撃的、アーセナルは(どちらかといえば)守備的だ、と言い続けて来た。それはデータを基にしてるのかもしれないし、主観も入っている可能性だって捨てきれない。

マラドーナジーコらが個人技で観衆を沸かせ、DFを苦しめた時代もある。革新的な守備戦術が攻撃を凌駕する事もある。サッカーを長くは見ていない自分だけど、つい最近までは守備が何よりものをいった時代ではなかったか、と思う。
その意味で、2002年ドイツ、、トルコ、イングランドなど、どちらかといえばディフェンスの方が強かったチームを打ち破ってワールドカップを制覇した時、時代の潮流が変わったといえば大袈裟だろうか。
もちろんそれ以前から攻撃的、楽しいと呼ばれるサッカーをしていたチームはあっただろうが、守備が組織で高い水準まで持っていけるようになったがために、また攻撃に違いを生み出すタレント、特にFWが重視されるようになった気がしてならない。その中心的人物として挙げなくてはならないのが、ロナウジーニョ、その人であるはずだ。
彼はセレソンにいようと、バルサにいようと、攻撃の中心としてまさに異才を放っていた。彼を、今、この時代が完全に封じ込めるのは不可能かもしれない―それがどんなチームでも―しかし、いつかまた、守備が攻撃を凌駕する時が来ると信じている。しかし、それも束の間だろう。攻撃に酔いしれ、ゴールを求めようとする未来のハンターたちを抑えることは、ありえないはずだ。
フットボールが、ゴールを究極の目標とする限りは―――